2012.10.14

加子母の天然林

9月末に、しずおか木造塾の研修ツアーで、岐阜県の中津川市加子母にある「木曽桧の天然林」を見学してきました。

今、私たちの周りにある山は、そのほとんどが植林された木が生える「人工林」というものです。
私が木材として使っている、天竜や大井川流域の、杉、桧は、全て人工林。
人の手で苗を一本づつ植えているものです・・・それはそれでスゴイことなのですが、、
人工林の場合は、人の管理があってはじめて成立し、定期的に間伐や下草刈りなどをしなければなりません。

今回は「天然林」
これは、山の土に実が落ちて育ち、そのままの環境の中で、自然淘汰されながら育った木や植物で成り立っている森のこと・・。
かしも01
↑写真の手前の山が、人工林・・木の形がそろっています。いちばん奥のボコボコしてるのが、天然林。いろんな形の木が生えている様子がわかります。。。

この桧の天然林は、日本でもここだけと言われ、一般の出入りは禁止されています。
ですので、林道の途中にはこんな柵がいくつかあって、入場者も管理されています。。。「おっクマもいるのか・・。」
かしも02

良く聞く、原生林と天然林との違い??といいますと、原生林は、もう全く人の手がはいっていない、古代からの山のことで、今回の天然林には、ある程度人の手は入っています。
ですが、人工林で行われる、間伐や下草刈りなどは一切おこなわれていません。
かしも03

この山の起源は、1630年代といわれており、これは、江戸時代の築城ラッシュで、この辺りの山の木のほとんどが伐採された・・との記録があるそうで、その後一切植林はしていないので、そこから自然に杉、桧、サワラなどが生育したと考えられているそうです。
ですから、ここのでっかい木のほとんどが、200歳~400歳!

いやあ、、ホント、すごい!

でも樹齢200年以上のわりには、植林の木に比べると、細い感じがします。
伊勢神宮に使われた木の切り株をみると・・かなり年輪が詰まっているのがわかります。
せまいものは1㎜以下、見えない位の詰まり方です。
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ここに生えている木の多くは、天然のサワラ

桧とサワラって一見、まったく同じに見えます。プロでも見分けはつきにくい・・といわれます。
葉も表は、まったく同じ・・しかし、実は裏面の模様が微妙に違うのです。
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葉の葉脈の白い部分が、綺麗にYの形に見えるのは「桧」。
「サワラ」は、白い部分が、XとかMとか複雑に見えます。(手前)
建築では、どちらの木も湿気や虫に強い・・とされていますが、板材に関しては、サワラは調湿性やカビにも強く、ウチでもお風呂の壁や天井によく使います。
サワラは、成長段階で木の芯部分が腐ってしまう事が多い為、板材として利用することが多いそうです。

↓さて、どちらが桧で、どちらがサワラでしょう???

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右がサワラで、左が桧。
サワラは、桧に比べ枝が細く、葉も細かくついています。一方、桧の枝は太く、かなり長くひろがります。
自分もはじめはわかりませんでしたが、そのうち何とか判別できるようになりました!

普段、私がよく行く人工林に比べ、山の中の様子は全く違います。
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とにかく美しくって、いろんな種類の緑がみれます。
シダなんかはもうジュラシックパーク状態。。

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↑これも天然林の特徴。 広葉樹と針葉樹が同じ山に生えている。。当たり前といえば、当たり前。。
針葉樹は、とにかく上にむかって地面とは関係なく垂直に伸びます。。だから斜面近くはぐいっと曲がってます。
広葉樹は、地面に対して垂直にのびようとするので、木は斜めに生えてます。。こんなことがわかるのも、この山ならでは。。

本当に永い時間をかけて、育った木々。
これが自然なのだ・・・ほんとうに感動!!!

そんな木の根本をみてみると、次の芽が生えていました。。がんばれよ!!おっきくなれよ!!
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↓山の中で食べたお弁当。加子母名物、朴葉寿し。
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意外にこのシイタケとシーチキンがあうのです。。うーん。シンプルで、うまい!!

今回のツアーは、地元、旧加子母村にある、中島工務店さんの協力で実現できました。
本当に感謝です!

また是非、来たいと思います。

中島さん、ありがとうございました!!










Posted at 22:28 | 木のココロ | COM(0) |
2008.02.07

木は腐る。

ウチの設計では、外壁もすべて「木」で。という場合が多いのですが、良く、「木」だとカビたり、腐ったりするから・・・と言う人がいます。
お客さんからも外壁が「木」の場合のメンテナンスをきかれます。
しかし、元来、メンテナンスのいらない外壁などは存在しませんし、汚れのほとんどは、カビによるものなので、これは、どの素材も共通したことだと思っています。
確かに、木は、腐ったり、カビたりします。。でも、サイディングなどの建材も同じように、カビますし、腐るというか、中がぼろぼろに劣化します。鉄板は錆ますし、コンクリートも劣化します。
地球上にいるかぎり、高温多湿の日本にいるかぎり、どんな素材を使っても条件がそろえば、汚れはつきますし、カビも発生します。
その中で、木は、もしそうなった時に比較的、容易に取替えたり、メンテナンスができる素材だと考えます。 汚れ具合も、感じる人によりますが、自然な感じに、風合いがでてくる・・と思っています。また、比較的厚い板ならば、表面は汚かったり、劣化しているように見えても、少し削ると新しい木肌のままです。。古民家解体などで梁を切断すると、黄色い新しいような木がでてきます。そんな風に、木はずっと生きていることができるのです。
↓表面は灰色に劣化しているようでも、中の木はそのまま。木の断面

こんな木のよさを活かしながら、家を造る・・だから永く住む家には木が一番だと思っているワケです。。

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Posted at 08:58 | 木のココロ | COM(1) |
2007.12.03

グリーン材と冬季伐採

12月となってしまいました。。今年はあと一カ月。。早いですね。。
12月1日は、浜松市の旧龍山村の山へ。。
木造建築(特に板倉工法)の防火でお世話になってます安井昇さんが所属する「木の建築塾」(代表:工学院大学教授 後藤治氏)の皆さんが伐採体験と製材所見学に東京から二十数名いらっしゃました。
11月に民家の学校で受講生を案内したのと同じ伐採現場で実施。。
樹齢約80年の杉を伐っていただきました。
↓伐採体験をする安井氏
伐採中の安井氏

この現場にくるのも3回目なので、場所も何とかわかります。。。迷わずに。。でも集合時間には遅れてしまいました。(スイマセン。)
何とか・・というのは、山の道は本当にわからない。。
まず目標がなく、同じようような道ばかりの上、山に沿ってぐるぐる山道がとおっているわけですので方向もわからなくなってきますし、距離も把握しにくい。。
前回、先頭で現場に行こうとしたら、別の道に行ってしまい。だいぶ遠回りしてもどりました。。危うく、現場にいけなくなるところでした。(汗。)
この12月の山は、伐採の最盛期です。
木は、水分が少なく、乾燥しやすい冬季に伐採する・・これは昔から言われ当然のようにやられてきたことですが、高温の人工乾燥機の普及によって伐採時期を守らないで関係なく伐採するところが大半です。。さすがに、6月のような梅雨時期から水分がたっぷり残っている8月ごろの期間に伐採することはあまりないようですが(道路をつくる・・とか、工事がらみでの伐採で出てくる木は、その辺・・全く関係なしに伐採され、製品化されます。・・・でも価格が安い。)、実際は8月中ごろから山の木はどんどん伐採をされはじめます。。ちゃんと乾燥できれば良いですが、何も乾燥しないで、山で伐ったらすぐに市場に出されます。そのまま出してそまま売るわけなので乾燥も何もしてません。このような未乾燥の材料を「グリーン材」と言います。・・「グリーン材」と聞くと言葉だけでは、何か良いイメージを受ける人が多いかもしれません。これはホントに言葉にだまされる。。
未乾燥材なので、市場ではかなり安い値段で取引されます。
↓梅雨時期の杉の皮をむくと・・ペロリと驚くほど簡単に皮がむけ、皮の間からたっぷり水がでてきます。。
杉皮むくと

只、これも、たとえば市場で丸太を買った製材屋さんが、ちゃんとその後乾燥してくれていれば良いですが、国産の材が良く売れたころは、そのまま建築現場に出していました。その結果、TVでよくやる建築*メンなどでチエックされるような・・材料が浮いている・・とか、隙間があいている・・壁が変形している・・なんて欠陥住宅は、大体が、そんな安いグリーン材をそのまま使って施工し、その後材料の収縮が激しく、欠陥となってしまうケースです。。我々のようにしっかり乾燥しても、木は収縮をします。100年経った古民家の梁を解体すると数週間で、もう元にはもどらないくらい曲がって変形します。。それだけ木は生きていて、常に水分の吸収と排出をしているものなのです。
ちょっと昔まで、未乾燥材は大工さんが自分の小屋で保管し、乾かして、使うときになって近くの製材屋さんで挽いてもらって使いました。今は、その「近くの製材屋」「保管する小屋」も無くなってしまいました。。ですから、山や市場に出る前の段階で十分乾燥することが大事なのです。
以前、今やっているような「国産材だけの家づくり」をはじめる前。。まだまだずーっと若きころ。。健康にいい。。自然な家づくり。。国産の木でやている。。というログハウス屋さんと仕事をする機会がありました。そのとき、このグリーン材に関して、ログハウス屋さんとやりあったことがあります。それは・・
どんな木材を使うのか。。という段階で、大井川の木を8月に伐採し、そのままログに加工してもう9月にはログハウスを建ててしまおう。。というのです。確かにログハウスは、建て方時と一年後では、階高(1階から2階までの高さ)が木の収縮で15センチから20センチも違います。そのため、建具の上や設備配管、家具などは、その分、上に隙間をあけたり、固定しなかったりしています。。ですが、それも、米松など北米で一度加工され、最低でも一冬越したあと、2ヶ月船にゆられて、その間にある程度乾燥している丸太でさえそのレベルの対策が必要なわけで・・乾燥していない材を伐った後、一ヶ月で建ててしまうなんて・・それでよいのか???と疑問に思いました。(まだそのころは木については全く素人でしたので・・)
ログ屋さんは・・「大丈夫だよ。。」と一言。
やま「でも、水分があれば、カビたりしないんですか??」
ログ屋「あー大丈夫だよ。漂白剤たっぷり塗っとけば大丈夫だから。。」
やま「えっ!!(絶句)」
そこからそのログ屋さんが信用できなくなりました。
あれだけ、自然思考で「木はいいですよ~」といいながら、たっぷり不健康な物を塗って平然としていられる彼を見て・・なんて国産材はいいかげんなんだ!!と思いました。
今考えれば、現在やっている「正しい国産材」の普及への思いはそのころからあったのかもしれません。。
綺麗好きの日本人には、漂白された真っ白な木は、好まれ安いですが、中国などの農薬づけの見た目は綺麗な野菜とかわらない木材が今も普通に流通しています。
そんな、本当に健康素材、自然素材とは何なのか。。これからも正しく伝えていきたいと思っています。

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Posted at 05:55 | 木のココロ | COM(0) |
2007.11.07

民家の学校 林業体験2日間 2日目

林業体験2日目は、朝早くから山に入り・・と思ったのですが、
車で山中を移動する時間が思いのほか、時間がかかり、現場まで2時間近くかかってしまいました。それでも約2時間の間伐体験をしました。
伐採にはまず、受け口という切倒す方向に向けて角度45度の口をあけます。その後、反対側に追い口という木を倒すための切り口をまっすぐ鋸で入れてゆきます。そして、その追い口に楔をいれ、トーン、トーンとたたいてゆくとユックリ幹が倒れてゆきます。。今はすべてチェーンソーで作業をしますが昔はヨキ(手斧)と手鋸でやっていたそうです。
↓昔ながらに受け口を斧で・・・これが難しい!
林業体験

間伐といっても昔からおこなれる劣勢木(悪い木、細い木など)ばかりを伐採するのではなく、ある程度太くて商品になりそうな木も伐る方法をとりました。これは、各山主さんの考え方にもよるようで、特にヒノキ林の場合は、現在は単価が高いので伐れば多少、お金になり、山から出す費用も捻出できるのですが、逆に杉は、かなり単価が下がっているので従来の悪い木を伐る方法をとる方針なのだそうです。
当然、受講生は伐採体験は初めての人ばかり、しかし、一本木を伐ると・・「木を伐ると日が差し込んでホントに明るくなるんだねぇ・・」と間伐によって森が明るくなることを実感。。時間は短かったのですが全部で17本の木を伐ることができました。
守屋さんの話にもあったように、昔はこの間伐で出た細い丸太も需要があり、そこから山の維持費用がでたらしいのですが、今の杉林は出せば出すほど赤字になる・・かといってそのまま放置しておけば、山が荒れ、治山治水にならない。。そんなふうに山の実情はどんどん変わっていることを少しだけ肌で感じることができたような気がしました。
ひと汗かいた後は、お楽しみの昼ごはん。近くの伐採現場で榊原商店のおねーさん方が作ってくださった山の幸(ししなべ、しいたけ焼き、アマゴ焼き)と朝、スタッフで握ったおにぎり。。山で食べるのはホント美味しい!
山で食事

↓食事の場所は伐採現場・・その前方にはこんなすばらしい眺めが・・。
山の途中に線のように見えるのが、林道。。昔はこれもなく、いちばん下から苗木を背負って山頂まで行ったそうです。
天竜美林

↓その場で焼く、しいたけ。なんでこんなに美味しいのでしょう。。
したけ焼き

食事の後は、主伐の見学。。樹齢80年の桧をトレサビりティーの方法で伐採。
主伐見学

最後に、ちゃんと管理するとこんな山になる・・・という山を見学。。下草が生え、大きく枝を伸ばした太い桧と明るくて綺麗な山を見て皆、感心していました。
↓TSドライで管理している山(チルチン人でも特集された)
明るい森

あっという間の2日間でした。が、いつも行っているユーザー向けの伐採より、今回は本当に自分自身も勉強になることが多かったです。そして改めて、山のためにやることとは。。自分が今できることとは。。を考えさせられました。
参加の受講生の皆さん、スタッフの皆さん、協力していただいたTSドライの皆さん、本当にお疲れ様でした。。そして、ありがとうございました。
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Posted at 17:39 | 木のココロ | COM(0) |
2007.11.07

民家の学校 林業体験2日間 1日目

11月3日、4日はJMRA民家の学校の林業体験講座が天竜、龍山、水窪で行われました。
私は現地スタッフとして企画段階から参加させていただきました。参加者はスタッフを含め、約50名。プラス、今回現地協力していただいたTSドライの皆さんが入っての2日間の講座となりました。
お天気は「晴れ!」。今まで、伐採体験は雨で中止になったことが無い・・というTSドライの榊原さんの運気にも守られたのか、2日間、全く雨の心配はいりませんでした。
1日目・・天竜の榊原商店にて開校式の後、林業や伐採についてレクチャー。
榊原さんの話

その後、土場(山から下ろした丸太を置いておく場所)を見学しました。ちょうど種木(苗木を育てる時種をとる専用の木)としてつかっていた杉の大木(樹齢110年)の根玉(切り出した丸太の一番根元の部分)を見ることができ、その大きな丸太に皆一様に驚いていました。
その後、天竜から水窪へ移動・・・TSドライ天竜新月材センターにて、丸太の製材のことや、品質管理、トレーサビリティの話について説明を受けました。
新月センター

参加者のほとんどは東京や関東の人たち。。民家や木の家について、毎月一度、日本各地で勉強している、本当に熱心な皆さんです。
そうこうしているうちに、すぐ夜。。夕食は地元水窪で雑穀料理をだしている「つぶ食いしもと」さんで地元素材を使った珍しい料理をいただきました。
↓「つぶ食いしもと」
の雑穀料理・・・美味しい。ヘルシー。がピッタリ。でも自力では料理の説明はできません。。
つぶ食さんの料理

その後、林業について、山主(林業家)の守屋さんに、今の林業について・・そして山への熱い思いを語っていただきました。この守屋さんの話が本当に面白く、私も大変勉強になりました。。「山のことは、皆さん関係ないではなくて、蛇口をひねると簡単にでるあの水は、皆、山の木があるからこそなんですよ。。いい木にするには三代かかるんです。。木は農産物。。昔は農林水産省が山を管理していたものが、今は文化庁や環境庁が仕切っている。。山のことはわかっておらんのです。。ですから、皆さんがもっと関心を持って、どんどん山にきていただきたい。。水窪にもお嫁に来てもらいたい(笑)。」
そんな良いお話を聞いて、お腹もココロもいっぱいになった一日目でした。
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Posted at 11:59 | 木のココロ | COM(0) |
2007.10.30

龍山の山

今週末は、ワタクシが所属するJMRA(民家再生リサイクル協会)で運営している「民家の学校」の第7回講座がこの静岡天竜、龍山、水窪周辺で行われる。
昨年までは群馬の山でおこなっていたものが、今年から静岡で開催。
その現地担当として、先週、今週は特に忙しい。。
桧林

いつも行っている、ユーザー向けの伐採ツアーではなく、今回受講者はノコギリ持参で、間伐を実践した後、主伐も体験する予定である。もちろん?皆、地下足袋もしくは山作業用靴できます。。自分的にも今回の企画は今までにないものなので、かなり心配。。ですが、楽しみでもある。。
先日下見に伐採現場まで行ってきた。。秋晴れに、龍山の山は美しい。。
どうか当日も晴れますように・・。
龍山の山

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Posted at 22:35 | 木のココロ | COM(2) |