2007.11.13

おじさんたちが作る・・藁屋根ワークショップ

掛川市横須賀(旧大須賀町)の大田園地帯・・地元言葉で「とうもん」と呼ばれる、田んぼが広がる真ん中に、今年、新たに「田園空間博物館」なる施設が完成しました。。その名も「とうもんの里」
地域観光の案内や物産品の販売、地域素材を活かした料理教室のほか、その素材を栽培し、収穫する、農業体験ができる施設です。田園のある生活の発信拠点として様々なとりくみが行われています。。。設計衆団LNのメンバーが当初計画のワーキングに参加していたこともあり、今回、藁を使った家を造るから・・・何とかして。。という依頼があり、LNでお手伝いをしました。(一応、設計はLNの村松担当)
材料は竹。縄。藁。木杭。
↓最初に基本となる木杭を打ち、カネ(直角)をとります。。
杭うち

次に竹で小屋を組みます。。
叔父さん:「ハズくむんだな。ハズ。」
ハズというのはこの地方で稲刈りのとき組む稲架けのことです。
↓全国的に見ると稲架と書いて「ハサ」と呼ぶらしい・・・
(藁塚放浪記:藤田洋三著:石風社 より)わらづか

おそらく、このあたりでは「ハサ」がなまって「ハズ」になったのではないかと思います。これもすっかり見なくなりました。。所謂「天然乾燥」。。最近は稲刈りと同時に機械の中で脱穀までやってしまうので干す工程がなくなりました。。しかし、天日に干すと、やっぱり米は美味しくなる。。ので、昔ながらにハズ架けをしている人もいます。。自分も子供のころ手伝いました。
やま:「そーです。ハズです。ハズ。ハズのでっかいのを造るんです。」
↓その後、竹で合掌(小屋)を組んで、頭を一本ものの長い竹で結びます。
小屋組

・・・ちなみに田んぼのハズは、頭の棟木のような部分は竹を使いますが、田んぼでは腐りますんでその地区でとれる雑木をつかいます。ウチではシイノキを使っていました。(これがまた良い薪になるんですが・・)
↓その後、束ねた藁を組んだ竹に架けていきます。
藁架け

そして、小屋の中と外に分かれて、藁束を縄で結っていきます。。面白いのは、この叔父さんたちは、農家の人も2、3はいますが、ほとんどが近所の素人衆団。もちろん、小屋を組んだり、藁(ワラ)を葺くことは今回はじめて・・なんですが、小屋を組むところから、この中と外にわかれて藁を結うところまで、誰がいうことなく自然にできあがってゆきました。。そして驚くことに、藁を結うときには、縄が通しやすいように、大きな針のようなものを竹で作って使いました!これも、誰が言うこともなく自然にそのような道具が発生したのです。
↓中はこんな感じ。
中の様子

萱(カヤ)葺き屋根を葺く時にも大きな針をつかって萱を結っていきます。。この人たちは、素人です。。萱葺きを見たこともありません。が、自然にこんな流れができていて、、日本の家もこうやってだんだんと自然にできあがってきたものなのでは。。。と一緒にやっていて強く感じました。
↓そうやって何とか半分の屋根が完成!
屋根

実は途中で藁がなくなってしまいました。もともと少なかったので、架け方を節約してやったのですが、それでもぜんぜん足りませんでした。 藁や萱で屋根を葺くには、実際ものすごく大量に必要なのだと実感しました。
おばさま:「いーじゃん。。ここに大根とか干せばさぁ。」
おじさん:「そーだな。それで、え-な。」
↓・・・ということで「藁屋根の家?」が完成!
完成!

実はこの藁を葺く段階で穂先を上にするか、下にするかで論議が・・・通りすがりの東北出身の叔父さんは・・「穂先は下だ。。」というし、地元の人は「いや、干すときは穂が下だけど屋根は穂が上ではねーか。?」とか、いろいろありました。。藁の場合はどうなのか。。また調べてみたいと思います。
この家?は、とうもんの里にて3月ごろまで展示予定。期間中は子供たちの遊び場になります・・・お近くをお通りの際は、一度ごらんください。

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