2010.05.20

省エネ法の改正について

昨日は改正省エネ法の講習会に出席。

ここ半年、このような講習会や説明会のたぐいは、おおげさでなくても、1、2週間に1度は行ってます。

省エネ法が改正され、今まであまり関係のなかった建物まで、一気に義務化となった為に、断熱や省エネに無頓着だった人もやらなければならなくなりました。
これは、大きくはCO2削減の為ではありますが、他の生産物や、工業製品に比べ、建築は、この対策が大きく遅れているからです。

今回の講習会では、大きく6つの事を言ってました。ちょっと一般の方には難しいですが・・自分のメモのつもりで描きますね。。

1:建築物の省エネの評価をするツールとして大きく二つ。CASBEEと省エネ基準がある。省エネ基準は、計算による性能基準とポイント換算によるポイント基準、さらに簡易ポイント基準がある。

2:2000m2以上の建物はCASBEE評価をする。(静岡の場合)但し、CASBEEと省エネ法は別もの。連携はしていない。

3:2000m2以上の建物は第1種特定建築物となり、省エネ法の届け出が必要。また、5000m2を超える場合は計算による性能基準を満たす必要がある。また3年に一度、定期報告が必要。

4:300m2~2000m2未満の建物は、第2種特定建築物となり、省エネ法の届け出が必要。(新基準)性能基準、もしくはポイント法、簡易ポイント法を用いて評価する。これも3年に一度、定期報告が必要。ただし、住宅の場合は定期報告は免除。

5:省エネ法に著しく不十分の場合のみ、行政より届け出者(施主)に勧告をおこなう。罰則も施主が対象となる。
著しく不十分とは・・H4の新省エネ基準(性能評価等級3レベル)に満たないもの。

6:省エネ法の届け出は、建築行為の予定の21日前まで。また、既存建築物は対象外である。


以上が省エネ法改正の大枠と4月からの改正点。

今回の講習は、新たに設立された簡易ポイント制の説明が主でした。ポイント制とは、本来なら、建物全体の熱損失を計算して出す必要があるものを、計算ではなく、こんな仕様にすれば、何ポイントというのが決まっていて、各部分の仕様のポイントを足していって、合計100ポイントを超せば良い・・というものです。簡易ポイントとは、それをさらに簡単にしたもの。

しかし、いくら簡単にしたとはいえ、断熱や省エネの知識は必要なので、実際に届け出するのは大変な作業になるでしょう。また、簡略化している・・ということは、どんな計算でもそうですが、割り増し率をとっているハズですので、本当に必要な数値以上の仕様になる・・ということになります。過剰な仕様になれば、コストも当然上がります。

瑕疵担保履行法がでてから、新築物件のベタ基礎で、ダブル配筋しているところが良くありますが、あれは仕様書に載っているからで、構造計算をすればシングル配筋でいけるのです。(ウチでは計算してますが・・)

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今回の講習会場は、いっぱい。この中で、何人の人が、この法律の中身をわかって来ているだろう??と感じてしまいました。
きわめつけは「NPO法人静岡県建築物安全確保支援協会」のパンフが入っていて・・
この省エネ法申請や定期報告などを設計事務所の代わりに代行してやってくれる・・というのです。

構造計算はプレカット工場でPCソフトで計算され、省エネも仕様をきめ、申請までココでやってしまう・・設計事務所の役割は??今、我々は大きな岐路に立たされています。

確かに、プレカット工場での計算やポイント制などの仕様を選択するやり方は、全体の底上げになるかもしれません・・が、そこには「ものづくり」としての創意工夫がみられません。

ボクは・・「建築設計」とは「デザイン」だけではダメだし「素材や仕様」だけでもダメ。それらを関連、裏付けて実現する「技術」が必要。そこに「面白さ」が生まれて創意工夫のある良い建築ができる・・と思っています。

設計事務所の良い所は、やっぱり他と違う、オリジナルができるコト。だから大手メーカーが決めた仕様とは戦わなければならないのだ!・・と思ってしまいます・・・只、資力が無いのが難点ですが・・涙。


さて、つい長々と書いてしまいました。。

講習会場の外になんとこんな金のタヌキが!?。
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一閑張りの先生が見たら、ホクホクするような代物です。(大きさは人間と同じくらい)

ご利益あるかも・・と思い、ナデナデしときました。。浜松駅ビル、メイ・ワンの4Fの一番東隅に立ってます。


この記事へのコメント
松永さん、コメントありがとうございます。
事務手間は、設計事務所にたのんでください。
もともと申請をとおるだけの図面は描いているのです。
今回の省エネ法改正は大きな建物だけですが、CO2の削減目標がさしせまってくれば、住宅も義務化する可能性があります。景気の動向にもよりますが・・。エコポイントはそのプロローグといっても良いかもしれません。
実は大手メーカーはすでにこのレベルに義務化になっています。(トップランナー制度)今までぜんぜん高断熱、高気密をやってくこなかったメーカーが最近、省エネや断熱性をPRしているのはそのためです。
職人さんが勉強するのは限界があります。だから、刻む時間がなくなって、プレカット主体にならざるを得ない・・もちろんコストの問題はありますが・・逆に言うと・・トップランナーでメーカーも仕様をむやみに落とせないワケですから、極端に安価な住宅はなくなってくるハズです。
価格が近づいてくるのなら、あとはどんな仕事をしているか?です。やっぱり材料をちゃんと見て、しっかり刻む大工さんの方が良い家ができる!
だから大工さんと設計が協力して不得意な所を補って対抗してゆくのが大事だと考えてます。
また連携しましょう!

Posted by sola at 2010.05.22 09:55 | 編集
こんばんは。
講習会、お疲れ様です。
基準、改正、認定 等々、難しい時代になりましたね。
私たち現場職人達は事務手間が増えるだけではなく、何をどうすれば良いのか?
手探り状態で日々の現場&業務を送っております。
今回のわいて出たようなエコポイント制度もそうですが、お施主様に金銭的負担がかからず且つ合理的にポイントを取得するには?という素朴な工務店側の疑問に対してもしっかり教えてくれるところは皆無と言ってもいいほどこの業界の情報は乏しいものでした。
今私が行っているお施主様(現場の)住宅版エコポイント(省エネ基準)はなんとか自力で図面を書き申請して受理・認定されましたが、今後もこのような(これ以上の)煩わし事務手間が増殖すると思うと憂鬱な気持ちになってしまいます。
職人も勉強は大事ですが本来の良い仕事がきっちり出来る時代になることが好ましい事ですね。
Posted by 松永孝良 at 2010.05.21 22:01 | 編集
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