2007.12.11

しずおか木造塾 レポート2 アールトとライトに学ぶ

しずおか木造塾2007 第三講座レポート2

12月8日(土)は、ワタクシがスタッフとして参加しております「しずおか木造塾」の第三回講座がありました。前記につづいて、今回は丸谷博男氏の講座レポートです。丸谷さんは日本全国、世界各地に訪れていて、その写真は膨大!住宅設計に関するいろんな著作も沢山書かれています。
例えば「住まいのアイデアスケッチ集」(1984年著)・・ワタシも昔読みました!
最近では、「家づくり100の心得」など。。
主催者でありながら受講生よりも先に会場で2冊も買ってしまいました。(サイン付き!)

丸谷博男(エーアンドエーセントラル) FLライトとAアールトに学ぶ木のデザイン

カレ氏がアールトを選らんだワケ(理由)

今年、パリ郊外にあるAアールトが設計したカレ邸を訪れた。
企業家であったカレ氏が自邸を建てようと考えた時、当然、同時期に活躍していたコルビジェもその選択肢の中にあった。しかし、カレ氏はアールトを選んだのである。カレ氏の要望は、質感のある、時間の経過とともに赴きがでてくる家・・アールトのデザインには、落ち着いたホッとする部分があるのである。
なぜ、落ち着いた質感なのか。それは、鉄やガラス、コンクリートなどが多用されたその時代の他の建築家作品に比べ、アールトの作品には木が沢山使われていたからである。木は同じ繰り返しがないので落ち着く。木のやさしさが、家の赴きにつながっている。と同時にセラミックス・・タイルなどの焼物がその独特のやさしさ。自然さをさらに引き立てているのである。アールトのモダニズムデザインの特徴は木の質感のあつかいかた。。ブロイヤーとちがうのは木をつかうこと。
ブロイヤーは永遠にパイプをテーマに家具をつくりつづけた。がアールトは、サナトリウムで徹底してパイプを使った後、その頃できた木の整形技術利用して家具のデザインをするようになった。
ワルターグロピウスの自邸(グロピウスハウス:1883)を見てもガラスブロック、横長窓、縞鋼板、鉄パイプなどを使っているのに対し、アールトの自邸は鉄は使わず、木をつかった。。常に地場のものを使う意識があったのである。北欧の建築家たちの作品は、工業製品も使うが、アスプルンド運動の影響と歴史の継続性というところで、地場という意識が作家を経由してあらわれる。
また、木材を小さく、短く細くして工業製品化して歩留まりよく使えるデザインを彼は多く取り入れている。合理的な材料の利用方法である。そして先を止めない。押さえない。職人的ディテールでなく。きりっぱなしの木口だしの格子デザインは建物にやわらかい印象をあたえる。ユバスキュラ大学の学生食堂では、これをユニット化している。アールトは初期の頃から木造トラスをかなり取り入れた設計をしていて、水平力にを考えた放射状の綺麗な木製ブレスのデザインが特徴である。

↓講義をする丸谷博男氏。
丸谷


FLライト 家具からユーソニアンまで。

いちばん身近なところにあるライト建築は「自由学園明日館」今は大改修が行われ、一般にも公開されています。この実測調査に丸谷氏は関わり、実測図面を約一年かけて作成したそうです。
↓ワタクシやましたも何回も行ってます。明日館(池袋駅から徒歩10分)
明日館

ライト建築の特徴としては屋根の勾配を構成する登り梁を支える水平の屋根部分。勾配だけでは外側にどんどん開いてしまうので、水平部分が開き止めになっている。また、板をあわせて梁なしで小屋を組み、柱を全く使わない、単純化した構造である。この手法は、ユーソニアンやタリアセンウエストでも使われている。
ユーソニアンハウス最初の建物は、Jコブズ邸。アメリカの大恐慌により手ごろな価格で住宅を建築するというテーマで設計された42坪のユーソニアンハウス。当時の価格で5500ドル。
ユーソニアンではいくつかの試みが見られるが、プランで大きな特徴がある。それまでは台所、食堂、リビングはそれぞれが別々の部屋で離れていたものを、オープンプランとして一体化した。つまりLDKを考え出したのである。オープンプランの特徴としては、コアと呼ばれる部分を中心に外側に開放することにより、リビングなどの空間や部屋が流動できる建築となっている。さらに、建物の角をとることで内と外が一体となる・・これは、日本建築にも見られる外との一体感を思わせるものである。この動きの自由さ・・・これは他のヨーロッパから移住した建築家たちと明らかに違う思考であった。また、平面的にもオープンだが、レベル(高さ)的にも、外の地面と全く段差のない、フラットな計画とした。部屋の仕切りを無くし、段差も無くし、身分や男女の差を排除した平等で自由の社会。そんな設計は当時としては画期的だったのである。
建築設計に携わる者にとって「ライト」とは、その具体的な手法よりも彼の考え方が大事。はじめてアメリカ人がアメリカ人の為の住宅をつくった・・その考え方が大事なのである。
↓旧帝国ホテルエントランス(明治村)
帝国ホテル

丸谷さんの講座は、まさに大学の講義のようで、大変わかりやすかったです。。
最近、福岡と千葉でケミレスタウンプロジェクトに関わっているそうです。・・ケミカル、つまり化学物質をつかわない家を造る・・という試みで各住宅メーカーとOMソーラー、高千穂、無添加住宅などが出資しています。
丸谷さんが設計した建物では、ボンドは一切使わず、昔ながらにニカワを使ったり、タイルはモルタル団子張り、建具は全て無垢の框組という仕様。
・・・いろいろやったが、結局は昔の家の造り方になっていた。。と笑っていらっしゃいました。
ケミレスタウンプロジェクトのサイトはこちら・・・
http://www.h.chiba-u.ac.jp/center/research/chemiless.htm

さて、丸谷さんのブログもあるんです。
丸谷さんのブログは、建築家作品の写真が満載!
今回の講座で紹介していただいたフランスのアールトやコルビジェの建築写真が惜しみなく掲載されています。
建築やっている人なら写真を見てるだけであきませんよ。。
http://maruya.exblog.jp/i22/

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この記事へのコメント
Tさん、先日はお疲れさまでした。リンクありがとうございます。
静岡の木の家を盛り上げていきましょう!
Posted by やましん at 2007.12.13 08:34 | 編集
こころ民家のブログはすごい言ったことが活字で紹介されている。あまりすごいので
リンクしました。またよろしくお願いします
Posted by T設計室一級建築士事務所 at 2007.12.11 21:01 | 編集
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